値引き販売

コンビニでもスーパーのようにタイムセールをすれば、と考えたりも。

値下げのイメージ

食料品を大量に扱っているスーパーでは閉店間際には売れ残りそうな商品を安く販売 して廃棄処分にならないようしています。 賞味期限の短い食料品が売れ残って閉店を迎えてしまったら、タイムアップとなって しまったら、翌日には売り物にならなくなってしまうので捨てるしかありません。 新鮮な食品は販売できる時間も限られており、必要以上に入荷しても売れなかった分 はお店に利益をもたらすことはありません。 閉店後にゴミとして処分するしかない、報われない商品になってしまうのです。 そこでスーパーでは主婦がお買い物をする夕方以降の時間に、売れ残りを防ぐために タイムセールとしてそれまでの時間よりも安い金額で、値引き販売をして購入を 促すという作戦をとっています。 これはどこのスーパーでもたいていやっていることで、閉店後に処分するくらいなら 安くてもいいから買ってもらおう、というわけです。 廃棄処分になると1円にもならないばかりか、処理するためには人を使ったりと費用 が余計にかかってしまうので、少しでもその量を減らしたいのです。 タイムセールをしても残ってしまう分もありますが、これをやるのとやらないのでは ゴミとなる食料品の量は全然違うようで、またその時間帯を狙って買い物に訪れる お客さんもいるくらいです。 閉店時間のあるスーパーではこのように知恵を絞って売れ残りを減らす努力をして いますが、コンビニではそれを真似することはできないのでしょうか。 24時間のコンビニには閉店時間というものが存在しないので、また入荷される タイミングも1日に1回ではなく賞味期限もバラバラな時間になるので、 ちょっと難しいようです。 閉店時間がないということは閉店間際のタイムセールをやる理由がありませんし、 賞味期限が迫っている物を割引販売していたらそこからの時間で販売するつもりで 仕入れた定価の商品と並べて、同時に販売することになってしまいます。 スーパーのように売り切るつもりで値引き商品だけをセールするならばともかく、 閉店しないでその後も営業を続ける24時間営業のコンビニでそれをやると、 定価の新鮮な食料品が売れなくなってしまうのです。 これが次のサイクルになると、新鮮だった食料品が売れ残って今度はセール対商品に、 そして新たに入荷された商品が定価販売になり、また売れ残るという悪循環です。 同じ中身でも賞味期限が数時間違うだけで安く買えるのであれば、消費者は安いほうを 選んで買っていきます。 タイミングがまったく噛み合わなくなると定価の商品は全く売れず、値引き商品 だけが売れていくという事態にもなってしまうのです。 これでは毎日お弁当やオニギリを仕入れているファミリーマートやローソンは、 利益にならないので食料品の販売を縮小するしかなくなり、その結果お客さんの 来店数も減少して他の商品も売れなくなってしまいます。 つまり24時間営業のコンビニエンスストアでは値引き販売を成り立たせることが 非常に困難である、ということなのです。 廃棄処分間近のその食料品だけを見ればいいアイデアにも思えるのですが、そこから 影響を受けるのが次の廃棄処分候補の食料品なのです。 またスーパーで扱っている食料品よりも、コンビニで扱っているお弁当やサンドイッチ のほうがシビアに賞味期限が設定されているということもあり、タイムセールの 対象とする時間が難しいということもあります。 早めに見切りをつけてセール品にしたら利益がなくなってしまいますし、ギリギリ まで粘ってからセール品にすると今度は購入者が食べるまでの間に賞味期限が切れて しまうことにもなります。 そのような理由からコンビニでは値引き販売をしたがらないようです。